住まいづくりを楽しむためのコツ vol.1 無理せずつくる。

小畦 雅史

小畦 雅史

施主に寄り添うスタイルでお仕事をしている建築家です。既存の建物のリノベーションなどの再活用を得意としています。 自分たちでつくるDIYの手法を組み入れ、家づくりを住み手に近づけようとする試みも進めています。

このライターの記事一覧

住まいづくりを楽しむためのコツ 1回目です。

1.無理しない
2.ゆっくりつくる
3.自分でつくる
4.現場を楽しむ
5.できた後も楽しむ
6.夢をみる

6つのコツのうち今日は1つめ。

 

1.無理しない

住まいを新築したり、リノベーションしたりするときには、
「せっかく新しくするんだから多少無理してでもよい設備を入れたい」
「多少無理してでも売るときに高く売れるように資産価値の高い物件を買いたい」
と考える方が多いように思います。

でも、本当にそれがよい選択なのでしょうか。

「10年、20年で住みつぶす!」

そんな選択肢があってもいいように思います。

僕たち家族が住む築40年の中古マンションのリノベーションを選んだ理由の一つはこうです。

「不動産を資産と考えて売った時の利益を考えるより、無理のない額のローンをさっさと払い終えたほうが結果的に選択肢が増える」

「無理のない額のローン」は皆さんそれぞれの収入、現時点でお持ちの預金や資産によって変わってくると思いますが、30代で不動産取得を考えた場合、数十年前までのように、年齢が上がるにつれ所得がどんどん上がっていくようなモデルで借りられる上限でローンを組むと、30年先までローン返済の負担を背負いながら、かなり上手にやりくりして生活することを強いられます。
そんな状態だと「住まいづくりがたのしいなんて言ってられない!」かも知れませんよね。笑

僕たちの場合は、不動産を取得した時点から10年、20年後に「どこで暮らすか」や「どんな住まいで暮らすか」は、「子供の成長や進学の状況」や「遠く離れた両親の健康状態」によって流動的だという判断をしました。
なので、不動産にかかる費用をできるだけ抑えて、無理なく返済しつつ、返済期間が短くなるように考えました。

そうすれば、返済しきった時には売って頭金をつくって、その時点でもっとも都合のいい地域や住まいに代わる選択もできるし、引っ越さないにしても、その時の家族構成に合わせたリノベーションをもう一度する資金的な余裕が生まれる、と考えたからです。

その余裕が、次の一手の選択肢を広げ、そのときどきの住まいづくりを楽しむ心のゆとりを生む。

そんな風に考えています。

次回は二つ目。

「ゆっくりつくる」です。

お楽しみにー。

top

実績カテゴリー

読み物カテゴリー