住まいのまち医者としての建築家ってどう思いますか??

小畦 雅史

小畦 雅史

施主に寄り添うスタイルでお仕事をしている建築家です。既存の建物のリノベーションなどの再活用を得意としています。 自分たちでつくるDIYの手法を組み入れ、家づくりを住み手に近づけようとする試みも進めています。

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たまになんですが、
「建築家って敷居が高いように感じる」
とか
「自分はそんなにハイセンスでもないし建築家に頼むほどじゃない」
とかってことを直接言われることがあります。

こういう時僕の頭の中は
「?????」
って感じです。笑

実は建築家っていってもいろんなタイプの方がいるんです。
住宅をたくさんやられている方でも、
高級住宅を得意とされる方や、
びっくりするようなデザインを得意とされる方、
いろいろな方がいます。

数年前の話ですが、
「まち医者のようにお仕事をしてる人」
と、ある方が他の方に僕を紹介してくださいました。

前々から自分がやっている仕事のイメージとしてはもっていたんですが、
人に言ってもらったのは初めてだったのでめっちゃ嬉しかったです♪

デザイナーの原研哉さんの「デザインのデザイン」という本に、
デザイナーはお医者さんと一緒で、頭痛いからって薬だしゃいいんじゃなくて、訴えてる症状の奥にある本質を見つけて解決するってのがデザインの役割だ、
という趣旨のことを書かれてました。

これってもちろん建築デザインにも言えて、

特にリノベーションってそういうことかなと。

もっといえば、
全面改装するようなリノベーションは大手術ですが、
ちょっとした悩みの解決や楽しみの実現って、
花粉症でしんどいとか、頭いてーとかで近所のお医者にかかるようなもんです。

薬だしちゃえば楽な部分もありますが、根治しようとすれば、実は生活習慣だったり、漢方で治ったり、整体にいけば治っちゃうような場合もあるし、場合によっては大手術する必要があったり。

健康ってものを総合的に判断するために、
まちのお医者さんは、
最先端の医療情報や技術やはたまた民間療法まで敏感でないといかんのだろうと思うのです。

それとおんなじように、
その人の状況や求めるものに合わせて、
予断をもたずに、
既製品でも自然素材でも、
DIYでも職人さんのすばらしいおしごとでも、
おっきいおしごとでもちっちゃいおしごとでも、
建築家としての最先端の知識と技術とセンスで、
もっとも適切な判断をくだすし大手術だってこなせちゃうって、
めっちゃかっこいいなーと思うし、
かかわった人きっとみんな嬉しいよねと思います。

自分の体を大事にいたわるように、いろんな人の思いがつまった空間で、長く、楽しく暮らせるようにサポートする。

そんな建築家でありたいなーと思います。

 

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