住まいのイロハ vol.05 新築とリノベ どちらがよいかどうやって決めるの?その1

小畦 雅史

小畦 雅史

施主に寄り添うスタイルでお仕事をしている建築家です。既存の建物のリノベーションなどの再活用を得意としています。 自分たちでつくるDIYの手法を組み入れ、家づくりを住み手に近づけようとする試みも進めています。

このライターの記事一覧

「新築か、中古リノベーションか」

皆さんはどちらが良いと思われますか?

今、世の中で新築か中古リノベーションか、の比較で語られていることは、下記のURLにまとめられているような内容かと思います。

「SUUMO」のまとめ
https://suumo.jp/edit/mansion/shinchiku_chuko/141203/index.html

「kurashiba」のまとめ
https://www.cigr.co.jp/media/contents/19

これらのサイトに書かれていることは一般的に皆さんが気になる点の比較がまとまっていて、現状の把握という意味では参考になるかと思います。
どちらかというと新築のほうがお得なのかな?と見えるような印象もあります。

一方で、中古リノベーションを推奨する立場の記事もあります。

LIFULL HOME’S 総研
https://www.homes.co.jp/cont/press/opinion/opinion_00017/

費用面やメリット、デメリットの整理など、客観的かつ一般的な考え方についてはインターネット上で情報収集がいくらでも可能です。
それこそ千差万別、様々な情報が集まり過ぎてしまい、あれも考えなきゃ、これも大切、こんがらがって「わけわからん!結局どうすんのがいちばんいいのよ!」となりがちです。
「結局どうすればいいのよ!」は誰かに決めてもらおうとしても答えが出ないのです。

なによりも大切なのは、集まった情報を自分にとって「よい判断材料にする」こと。
何にどれだけお金を使いたいか、どんなものが好きで、人生で何を求めているかによって、新築がよいかリノベーションがよいかは人それぞれに正解が違ってきます。

ということで、ここでは細かなメリット、デメリットについての解説は他の皆さんにお任せして、あえて書きません。笑

僕がこれまでお会いしてお話をお聞きしてきた方の中には「家族の収入」と「家族構成」はほぼ同じですが、「この方はリノベーションがいいな」と感じる方と「この方は新築がよさそうだな」と感じる方がいました。

なぜそう感じたのか。

それを紐解いていくことで、設計者から見て、お施主さんがどちらが満足が得られやすいかを、お施主さんの「モノを考えるときの傾向」から整理してみます。
「こんな風に考えがちな人はこっちのほうがたぶん満足いくと思うよ」
というリスト。

これは設計者にしかつくれないリストですよね。笑

千差万別、複雑怪奇な混とんとした状況の中で、どのように判断すればよいかわからなくなっている方に。
「こんな視点もありますよ」と目先を変えていただくことで突破口が見える方がいることを信じて。

今後数回に分けて、下記の項目について解説していこうと思います。

1.「計画性を重視する」か「柔軟性を重視する」か
2.「節目を大切にする」か「日常を大切にする」か
3.「とことんこだわる」か「切り替えが早い」か
4.「新製品が好き」か「古いものが好き」か
5.「中古品の売り買いをそんなにしていない」か「中古品の売り買いをよくしている」か
6.「全力を尽くす」か「余力を残す」か
7.「気に入るようにがんばりたい」か「楽になるようにがんばりたい」か

8.「確実性が好き」か「即興性が好き」か
9.「頭を使うことが好き」か「体を使うことが好き」か
10.「安心することが好き」か「楽しむことが好き」か

これらはあくまでも考え方の傾向の話であって、どちらが良いか、あるいは仮に対置しているものを大事にしていない、という評価とはまた別の視点です。
あなたの暮らしをあなたがつくるために、あなたがどんな考え方の傾向を持っているか、あなたの中を深く掘ることできっとあなただけの選択肢が見えてきます。

お楽しみにー。

top

実績カテゴリー

読み物カテゴリー