おおきな柿の木のお庭で楽しむ コラム02:空間としてとらえる お庭のリノベーション

古原 理紗

古原 理紗

大きな柿の木があるお庭つきの家に住む子育て中の主婦。住まいの一部として、居心地の良い自然な雰囲気の庭を目指しながら、イメージと現実のギャップを埋めるべく、試行錯誤しながらお庭とつき合っている日々を綴ります。

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何も植わっていない場所で、新しく1からお庭を作っていくのは、お家でいうと新築や自由設計で、お庭の場合はこちらの方が圧倒的に多いと思います。

 けれど、私がせっせとやっているのは、中古物件のお庭リノベーションです。
 
お家やお部屋のリノベーションの記事を読んでいると、庭でやってる事と似ているなぁと思う事があります。もちろん庭ならではの違う点もあります。
 
似ているのは、間取り(スペース)が決まっていること。もちろん変えることも可能だけど、結構労力や費用が必要になります。
あと、制約があることです。現状があり、そこから変えていくという事。
 
制約がある中で、いかに良くできるか、自分好みの空間を作っていくかというのは醍醐味でもあります。
現状に捉われず、自由な発想ができるかが試されてる感じもしますし、また、現状があるからこそ、そこから派生してイメージを膨らませられる事もあります。
自分で少しずつ工夫して変えていく、“変化”という楽しみも味わえます。
1からつくるのは難しいですが、リノベーションは、何かしらの物語性があり、時を経た良さ、味や空気感みたいなものをエッセンスとして取り込むという事もできます。
 
でも、もちろん良い事だけではなく、理想のイメージが強くある人にとっては、妥協せざるを得ない事がたくさん出てきます。
ベースを整えるのも大変で、現状の問題点やマイナス状態をゼロにするだけで労力がいります。
庭でいうと、綺麗なお花を植える花壇スペースをつくろうとしても、現状は、雑草が生えていて、地下にも根が張っている場合、それを根こそぎとってからではないと、花がうまく育ってくれなかったりします。
樹木の場合、もっと大変で、地上部分を切るのも大変なら、地下の根も深く広く張っています。
 
それでも、心がけているのは、見えてるもの(植わっているもの)に縛られず、空間として捉えることです。

もし自由に変えられるとしたら、どうしたいかをイメージし、現状をそのイメージに近づけるために、今できる作業はどういうことかを考えて、1ミリでも近づけていくための行動をします。

 
家と庭で圧倒的に違うのは、相手が自然(植物)だという事です。
季節(や天候)に大きく左右され、こちらの意図とは関係なく絶えず変化していき、一度変えたからOKという事はなく、手入れしていないとその状態を継続できないという事です。(家でいうと、生活をしている限り、部屋を片付けしないとベストな状態は維持できませんよね。)
 
樹木は建物の柱や壁のようで、撤去がやっかいで、地上だけでなく、地下があり、根付いたものがあります。
虫などの生き物も数多く存在し、風で飛ばされてきた種が土の中で発芽の時期を待ってたりします。
 
全てを思い通りに変えることは無理だけど、一方で、思いがけず素敵な方向にいく事もあります。
 
うちのお庭の場合、ほぼ目隠しのフェンスや外構がない為、ご近所の方や通りすがりの人からお庭の様子が見え、変化の過程や様子を見てもらえるので、やりがいも感じます。
 
自然とうまく付き合いながら少しずつ手を加え、好きな空間、素敵なお庭を作っていく事に精を出しています。

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